水質検査のこと

リンと散歩から戻り、朝飯を済ませて少しのんびりしていると、父親から電話が掛かってきた。
今日、池の水の調査をすることになったと言う。
僕が留守でも構わないというので、父親に任せることにした。
どうしても家の中に入る必要があるなら、母親が鍵を持っているので問題ないだろう。
リンとサカエダさんに、そのことを伝えてから家を出た。


ヨネヤとカネダさんと三人で少し飲んでから帰宅すると、ポストに封筒が入っていた。
それは池の水の検査結果で、より詳細な検査結果は後日になるが、簡易検査では特に問題はないということだった。
検査の日付、天気、気温や水温、採取時間からPHなど、細かく記載されている。
封筒の中には、父親の筆跡のメモが入っており、特に問題はないようだが、詳しい結果が分かるまでは口にしない方がいい。というようなことが書いてある。
これは、僕のことではなく、リンのことを心配している。


リンに、池の水を舐めてみるのは、もうしばらく待ってくれと言ってみる。
リンは父親の書いたメモの匂いを嗅ぐのに真剣になっていて、あまり聞いていないようだった。